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演奏中に暗譜が飛ぶのを未然に防ぐ練習法!【小節分割法】とは?

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大体の演奏者が、人前でのパフォーマンスに緊張を覚えた事があると思います。

そんな時、その緊張が行き過ぎた時に起きてしまう最悪のトラブルといえば暗譜が飛ぶという事態

急に頭が真っ白になって次に何を弾けばいいか、どの音をとればいいかが分からなくなってしまう。
次に何を引き出せばいいかわからなくなって体が固まってしまう。

僕自身とても緊張をするタイプで何度かこれを経験していますが、個人的にはこれほどまでに恐ろしい事態は演奏中に他に無いと思います。


そしてなんとかこれを防ぐ方法は無いかと模索した時に、一つの練習法にたどり着きました。



それが今回紹介する【小節分割法】になります。

ギタリスト向けに書きますが、練習法自体は何の演奏にでも応用できますし、とてもシンプルな練習法なので是非参考にしてみて下さい。



そもそも何故、暗譜が飛んでしまうのか?

「緊張をしてしまうから」だとか「集中力が途絶えてしまうから」だとかそういった理由はいくらでも挙げられますが、今回はその中でも特に弾きなれて散々練習したはずの曲の暗譜が飛んでしまう理由に着目します。

そして、この場合には一つ明確な理由があると僕は考えています。

それは無意識に体が演奏を行える状態にまで至ってしまっているからです。

これは一見すると良い事の様にも思えるのですが、逆に言うと意識をした途端自らの運指に懐疑的になり始めてしまう危険性も併せ持っているのです。



ゲシュタルト崩壊という現象をご存じでしょうか?

例えば文字の場合、ひらがなでも漢字でも構いませんが、普段見慣れているはずのその字を意識的に長時間視ていると「あれ?これこんな形だったっけ?」と頭がこんがらがってくる現象の事を言います。

弾きなれた曲の暗譜が飛んでしまうといった現象はこれに非常に近しいもので、緊張感により無意識にでも演奏ができるその曲に普段よりも遥かに凌駕した集中力を向けてしまう事によって起きてしまう、いわば「音楽のゲシュタルト崩壊なのです。

小節分割法とは

では、その「音楽のゲシュタルト崩壊に対しての対処法は一体何なのでしょうか?

それは、慣れ親しんだその譜面に無理やりにでも意識や集中力を向ける練習を日常的に行う事です。

一度暗譜した曲を練習する場合、抑揚をつける練習やリズム感を補う練習であったり、音符そのものに対して意識を向けた練習を怠ってしまいがちです。

今回紹介する小節分割法はその音符への意識にポイントを置いた練習法になっています。

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と、ここまで長々と語ってきましたが練習法そのものはいたってシンプル

上の図を練習曲とした場合、これを通常通り演奏する場合は[A B C D E F G H]と演奏します。

小節分割法ではこれを[AAA BBB CCC DDD EEE FFF GGG HHH]といった具合に、流れに逆らって繰り返しを行いながら演奏し練習していきます。

「Aメロを繰り返して弾く」だとか「サビを繰り返して弾く」、はたまた「リフやソロだけを繰り返して弾く」といったものはよく行われているかと思いますが、ここで大事なのはあくまで小節単位で不自然に繰り返しを行っていくという所。

これにより抑揚や展開を無視した上で、どの音を次は弾いたら良いか、そしてその為にはどういった運指をすれば良いかという点に嫌でも意識を向ける事になります。

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繰り返し以外にも、例えば[A C B D E G F H]飛ばし飛ばしに小節を追ってみたり、[H G F E D C B A]といった具合に真逆から小節を追って行ってみるのもとても良い練習になります。

繰り返しになりますが、とにかく大事なポイントはいかに不自然に小節を追っていけるかです。

小節と小節の間のいつもとは異なった運指に無理やり意識を向ける事でどの音を出せばいいかを強烈に印象付けていくことが目的になります。

またこの練習法のもう一つの利点として、万が一暗譜が飛んだ場合でも小節単位で曲を練習する事により、「Aメロが飛んだからBメロから始めよう」ではなく、「A小節が飛んだからB小節から始めよう」と、より近い小節やポイントから演奏を再開することが出来るようになります

トラブル防止だけではなく、トラブル対応も同時に行う事が出来るというわけですね。



ちなみに。

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しっかりとした縦に長い譜面がある曲ならこんな感じで、普通横に追うはずの小節を縦に追っていくっていうのもなかなか混沌としていて面白いですよ。
ここまでくるとパズルゲームのような感覚で練習に取り組めるので楽しくなってきます。





弾きなれた曲ほど、練習の時に意識を色々なところに分散してしまいがちです。

初めてその曲に取り組んだ時のような新鮮さを、是非小節分割法を使って今一度味わってみて下さい。
きっとこれまで以上に、その曲をモノにすることが出来ますよ。


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