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DADGAD界の生ける伝説―現代における"最高峰のソロギタリスト"、Pierre Bensusanとは

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その存在はDADGADというチューニングを学ぶ上では避けて通れない存在。

DADGADの魔術師の異名を持ち、また、そのチューニングに限らずフィンガーピッキングという大きな界隈においても彼は別格の存在であり、生きる伝説そのものなのです。

正に彼の曲は音楽という枠組みにはまらない、「芸術」そのものなのです。

彼の名をPierre Bensusan(ピエール ベンスーザン)と言います。

DADGADの魔術師 - Pierre Bensusan

1957年、スペインからアルジェリアへ移民してきたユダヤ人の一家に生まれ、後に当時の騒乱から逃れフランスのパリに育ちました。

両親と姉妹の家族全員が無類の音楽好きだったのもあり、7歳の時にピアノを始めたのがきっかけとなり彼の才能は開花します。

アコギの神様とも呼ばれるトミー・エマニュエルよりも若い、17歳にしてプロデビューを果たしました。

彼がDADGADチューニングをいつごろから使いだしたのかは明確ではないのですが、彼は「DADGADはもはやDNAとして自らに染み込んでいるものだ」とまで言います。

アコースティックギターに限らず管楽器やフレットレスベース、歌もこなす彼は初期のアルバムではバンドサウンドがメインだったものの、2001年に初の全曲ソロ・ギターによる名盤『INTUITE』を発表し、世界中のギタリストを驚愕させました。

彼のバラード曲の名曲でもあるThe Alchemistはそのベース、アルペジオ、メロディーの絡まるアンサンブルがとても美しく、クラシカルながらも小難しくない、リラックスして耳を傾ける事のできる一曲です。

また、同アルバムにはベンスーザンが交流のあった故マイケルヘッジスに捧げたSo Long Michaelも収録されており、必聴の一曲です。

クラシカルな曲が目立つ彼ですが、勿論そういったテイスト以外の楽曲もあります。
ソロギターの演奏として映像が残っている初期のものには、アイリッシュなテイストの楽曲がとても多いように感じます。

アイリッシュに限らず、フォーク、ジャズ、アラブ音楽、シャンソン、アフリカ音楽などから影響を受けていることもあり、彼のアルバムは一枚通して聴き手を飽きさせる事が無いです

そしてその作曲能力もさることながら、ライヴでは彼の演奏の随所にとても高度なアドリブが加わり、前述したThe Alchemistなどはよく彼がライヴで演奏する曲でもあるのですが、聴くたびに新鮮な感覚になります。

このLe voyage pour l'Irlandeの演奏も、1:30までは恐らくは完全なアドリブ演奏でしょう。

2020年、新たなアルバム「Azwan」を発表

これだけの大御所ギタリストでありながら、2020年となった今も精力的に新たなアルバム「Azwan」を発表しています。
これはDADGADチューニングを扱うギタリストとしては極上のインスピレーションを受ける事が出来る、これ以上ない喜びです。
とはいえ、一つ言及せざるを得ないのはそのジャケット

到底あんな繊細な音楽を奏でるギタリストとは思えない、ただの陽気なオッサンがいます。

これは間違いなくピエールベンスーザン本人なのですが、年々彼のフリーダムさが露呈しているような気がします。
(写真などを調べるとその片鱗が見れる画像が出てくると思うので気になる方は調べてみて下さい。)
(よく見るとThe Alchemistの動画の時に着用している服のプリントも強烈です。)

と言ってもこのアルバム、中身は相も変わらず極上の音楽が詰め込まれています。
DADGADに興味のある方は勿論、全アコースティックギターファン必聴の一枚です。



過去には日本での公演も行っているピエールベンスーザンですが、2007年を最後にしばらく来日はしていない様子。
是非とも一度は目の前で彼の演奏を聴いてみたいものです。


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